HSPは繊細であるがゆえに、外部から様々な刺激を受けやすいですよね。職場は特に人が集まって密に関わるため、より一層ストレスを感じやすいです。
HSPにはどんな職場が合うのか、実際に働いてみて感じた体験談も交えて紹介します。

3度の転職を経験し、4社目でやっとHSPの自分らしい働き方を見つけました
こんな人に読んでほしい
・自分がHSPだと自覚している人
・今の職場でなんらかのストレスを感じている人
・周囲からの刺激に敏感だと感じている人
この記事を読めばHSPが働きやすい職場の特徴を知ることができますよ。
HSPとは
HSPとは、「生まれつき感受性が高く、さまざまな刺激に敏感な気質」を持つ人を指します。Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)を略して「HSP(エイチ・エス・ピー)」と呼呼び、日本では「繊細さん」という呼び方でも浸透しつつあります。アメリカの心理学者、エレイン・N・アーロン氏が1996年に提唱した概念で、全人口の約15~20%とされています。
HSPの特徴を、提唱者のアーロン氏は大きく分けて4つあげています。
- Depth of Processing(深い思考)
- Overstimulation(刺激への敏感さ)
- Emotional response and empathy(共感力)
- Sensitivity to Subtleties(感覚の鋭さ)
具体例をあげて見ていきましょう。
<Depth of Processing 深い思考>
・自分の発言を相手がどう捉えているか考え込んでしまう
・人から言われたことや、過去の言動について何度も考える
・一つの物事を深く熟考する癖がある
<Overstimulation 刺激への敏感さ>
・服の生地が肌に合わず、過度にストレスを感じてしまう
・長時間の会議など、人が集まるところに長くいることで疲労を感じ回復まで時間がかかる
<Emotional response and empathy 共感力>
・自分とは関係ないことで職場の人が怒られたり失敗する姿を見ると当事者のように落ち込む
・些細な変化や感情を読み取れるため、気遣いができる
・相談事をされることが多く、相手の立場になって親身に話を聞くことができる
<Sensitivity to Subtleties 感覚の鋭さ>
・光に敏感で、オフィスの蛍光灯なども人より眩しく感じる
・温度や湿度に敏感で、クーラーや暖房が効きすぎた部屋が苦手
・コピー機やパソコンなどの些細な機械音が気になり集中できない

HSPは感受性が強く、繊細で、共感力が高い特性をもっています
HSPの感受性の強さや刺激に敏感な気質がどのようにしてストレスを感じやすくさせているのか、少しずつ紐解いてみましょう。
HSPが感じやすいストレスの原因
HSPは外部からの刺激や、環境の変化、人の感情も敏感に受け取ります。職場にはたくさんのストレスの原因が転がっていて、敏感であるがゆえにそれを多く受け取ってしまうのがHSPです。
具体的に何が原因でストレスを感じているのか、自分に当てはまるものがないか見ていきましょう。
HSPのストレス原因1. 強い光、音、匂い
オフィスで煌々と光る蛍光灯や、コピー機の機械音、色んな人が出入りする事務所の匂い、これらすべてがHSPにとってストレスとなり得ます。

周りの雑音が気になって集中できないことなんてしょっちゅうだよ〜

前の職場では自分のデスク上の蛍光灯だけ切れたままにしてました(笑)
明るすぎるのはストレスに感じたので⋯
HSPのストレス原因2. 人に気を遣いすぎてしまう
HSPは人の気持ちを敏感に察知できます。
他者の気持ちを汲み取れるため、必要以上に気を遣いすぎてしまい結局ストレスとなります。例えば、先輩に質問したいけど今忙しそうだからと聞くのを後回しにしたり、資料をもらってから仕事を進めたいけど黙々と作業をしている邪魔してはいけないとやめてしまったり。
もちろん他人を気遣うのは大切なことですが、相手を尊重しすぎると自分の仕事が進まずストレスですよね。

会社には色んな人がたくさんいるから、その分気を遣う場面も増えるよ〜
HSPのストレス原因3. 他人の機嫌
人に気を遣いすぎてしまう点と通ずるものがありますが、自分以外に向けられた他人の感情もHSPは敏感に受け取ってしまいます。
例えば、あなたの職場で同僚が上司によく怒られていたらどう感じますか?大抵の人は、他人事だと思って自分の仕事に集中するはずです。ですが、HSPは上司の怒りの感情が自分に向けられているのと同じくらいストレスに感じてしまうのです。
HSPの気質の一つとして、他人の機嫌に左右されやすいことがあげられます。

ノルマ達成できなくて怒られている人がいると、まるで自分が怒られてるように感じてビクビクしながら仕事していました
HSPのストレス原因4. マルチタスクを求められること
HSPは一つの物事を深く考える特徴があります。そのため、仕事をするうえでも一つ一つを丁寧にじっくり考えて作業するため、マルチタスクのような何個もの仕事を同時進行したり切り替えることには向いていません。

どちらのタイプが良い悪いではなく、向き不向きの問題!

あれもこれも仕事があったらパニックだ〜
もっとあの仕事はじっくり考えて作業したかったのに⋯
HSPのストレス原因5. 自分のペースが乱れること
前述した通り、深く物事を考えて作業するため周りより仕事のペースが遅く見えてしまいがちです。
周りが見えるHSPは、自分が遅れていると気づいて周りに合わせようと自分で自分を焦らせて、どんどん自らのペースを乱していきます。スピード感のある職場ではなおさらです。周りに合わせようとする特質と、丁寧に作業する特質がぶつかりあってますよね。

スピード感のある職場は急がなきゃ!と焦ってしんどいよ〜
深く物事を考えて作業をするのはたしかに時間がかかるかもしれませんが、その丁寧さはミスの回避につながります。成果は周りと同じか、それ以上のこともあります。焦らなくていいんです。
まずは自分のストレスの原因を知ろう
自分に当てはまる原因はありましたか?あげた原因以外にも、些細なことがHSPにとってのストレスになります。

今の職場はHSPにとって刺激だらけだったんだ
ストレスの原因を知ることが対策につながります。そのうえで自分の身を置く環境を変えたり、合っている職場を探していきましょう。
それでは、これまでにあげた原因を解決するにはどのような職場が良いのでしょうか。
次に解説していきます。
HSPが働きやすい職場の特徴5選
HSPのストレスの原因をヒントに、働きやすい職場の特徴を5つまとめました。
1.静かで落ち着いた環境
2.少人数で協力できるチーム
3.柔軟な働き方を提供する職場
4.理解とサポートが得られる職場
5.自分のペースで働ける作業中心の仕事

ふむふむ⋯こんな職場だったらストレス減りそうだ〜

では、具体的にどんな働き方があるのか見ていきましょう
1.リモートワーク、在宅ワーク
柔軟の働き方として、リモートワークや在宅ワークを導入した職場があげられます。

コロナ禍を経て、リモートワーク等の求人は増えてきました。
オフィスで感じていた外部からの刺激がなくなるのと、自分のペースで働けるのが魅力的です。自分一人の空間なので、人の感情に左右されることも少ないです。職種は、事務職や人事、秘書など様々あります。営業や接客など人と会わないとできない仕事以外で探すと見つけやすいです。
2.個人経営の飲食店、家族経営の会社
従業員の数が少ない職場としては、個人経営の飲食店や家族経営の会社があげられます。

家族経営の会社で実際働いてみて、少人数精鋭のため対人関係のストレスがだいぶ減りました
また、チェーン店のような忙しさも比較的なく、穏やかな環境で自分のペースで働きやすいです。

個人的には異動や部署異動といった環境の変化がないとわかっていたのも心の安心に繋がりました
3.フリーランス
フリーランスであれば基本一人で黙々と作業をし、自分のペースで働けます。

もちろん、会社のように給料が保証されていない不安定な職業ではあります
いきなりフリーランスとして生計を立てていくのは難しいですが、副業として徐々にスキルを磨いて独立する道もあります。
まとめ
感受性の強さや共感力の高さはHSPの大切な強みです。ただ、その強みは合わない環境では十分に発揮されずむしろストレスを抱え込んでしまいます。
自分にとって何がストレスとなっているのかを書き出してみて、一つ一つに対処していきましょう。今ある環境を直していくのは難しいですが、自分の身を置く環境を変えることで改善されることはたくさんあります。
静かな環境や、個人で作業できる仕事、リモートワークやフリーランスといった新しい選択肢も増えてきました。一人で悩みすぎず、いろんな働き方や環境があることを知るだけでも心が軽くなりますよ。