HSPと相性の良い仕事とは?現実的な適職10選

HSP気質の持ち主は、仕事に対する悩みを抱える人が多いのではないでしょうか。この記事では、HSPの特徴から相性の良い仕事を10選紹介します。

HSPとは

HSPとは、「生まれつき感受性が高く、さまざまな刺激に敏感な気質」を持つ人を指します。Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)を略して「HSP(エイチ・エス・ピー)」と呼呼び、日本では「繊細さん」という呼び方でも浸透しつつあります。アメリカの心理学者、エレイン・N・アーロン氏が1996年に提唱した概念で、全人口の約15~20%とされています。

HSPの特徴を、提唱者のアーロン氏は大きく分けて4つあげています。

  • Depth of Processing(深い思考)
  • Overstimulation(刺激への敏感さ)
  • Emotional response and empathy(共感力)
  • Sensitivity to Subtleties(感覚の鋭さ)

具体例をあげて見ていきましょう。

Depth of Processing 深い思考>
 ・自分の発言を相手がどう捉えているか考え込んでしまう
 ・人から言われたことや、過去の言動について何度も考える
 ・一つの物事を深く熟考する癖がある

Overstimulation 刺激への敏感さ>
 ・制服の生地が肌に合わず、過度にストレスを感じてしまう
 ・長時間の会議など、人が集まるところに長くいることで疲労を感じ回復まで時間がかかる

Emotional response and empathy 共感力>
 ・自分とは関係ないことで職場の人が怒られたり失敗する姿を見ると当事者のように落ち込む
 ・些細な変化や感情を読み取れるため、気遣いができる
 ・相談事をされることが多く、相手の立場になって親身に話を聞くことができる

Sensitivity to Subtleties 感覚の鋭さ>
 ・光に敏感で、オフィスの蛍光灯なども人より眩しく感じる
 ・温度や湿度に敏感で、クーラーや暖房が効きすぎた部屋が苦手
 ・コピー機やパソコンなどの些細な機械音が気になり集中できない


HSPの人は感受性が強く、繊細で、共感力が高い特性をもつことがわかります。

HSPの人が働きにくさを感じる理由

周りの人が普通に過ごしている職場環境でも、HSPの人にとっては過剰な刺激がたくさん潜んでいます。意識せずとも些細な環境の変化や、人の感情を敏感に察知するため、それら一つ一つがストレスとなり働きにくさへと繋がります。

HSPの特性を生かすポイント

・静かな環境
・自分のペースで作業できる
・細やかなケアや注意力が必要とされる仕事

HSPの人が持つ力は適切な環境下で最大限発揮されます。今の職場でなかなか集中できなかったり、日々ストレスを感じているのはHSPの人にとって最適な環境ではない可能性があります。以上のポイントを押さえて、適職を探していきましょう。

HSPの適職10選

それでは、HSPの特性を生かせる適職は具体的にどのようなものがあるのでしょうか。実際に働いている人たちの意見も交え、10個紹介します。

1.事務職
 ルーティンワークが多く、自分のペースで進められる仕事です。室内でデスクへ向かって黙々と作業を行うため外部からの刺激が少なく集中して仕事ができます。比較的、静かな環境で作業できる点もHSPにとっては魅力的です。

<HSPの事務職Sさん>黙々と自分のペースで進められる一般事務の仕事は長く続けられました。ただ、営業事務のような相手によって進め方や仕事量が左右されるような仕事は辛かったです。事務職といえど一括りにせず自分に合った環境を探すことがポイントです。

2.医療事務
 データ管理や書類作成の作業を主とするため、正確さや集中力が求められます。細部まで気を配れるHSPの特性を生かせる職業です。患者と接する場面もそう多くはないので、対人ストレスも少ないです。

3.図書館員
 静かな環境で作業でき、比較的人との対話も少ない職業です。細かいデータ管理、整理が求められるためHSPの注意力の高さや繊細さが活かせます。

4.カスタマーサポート
 カスタマーサポートの中でも、メールもしくはチャット対応の仕事が向いてます。電話対応は即時のレスポンスが求められますが、メールやチャットは文章を考えることできるため自分のペースで進められます。顧客をサポートする面では、HSPの敏感さや共感力を発揮しやすいです。

<HSPのカスタマーサポートMさん>電話対応は周りの話し声やスピード重視の環境に馴染めず、メール対応に部署変えしました。文章を考えたり、相手の心情をより深く読み取って働くことができ、やりがいがあります。

5.塾講師、家庭教師
 1対1や少人数の生徒を相手に教える環境では、HSPの深い共感力や感受性を活かして働くことができます。生徒一人一人に対して、細やかに気を配り、感情の変化も敏感に感じ取れるためより深い信頼関係を築けます。

6.WEBデザイナー
 在宅ワークやフリーランスで働く選択肢もあり、自分に合った環境を選べます。また、クリエイティブな発想が求められるため、HSPの感受性の豊かさを生かすことができます。

7.カフェスタッフ(個人経営や小規模店)
 個人経営や小規模な店舗でのカフェスタッフは、静かな環境なことが多く過度な騒音やストレスが少なく自分のペースで働くことができます。細やかな気配りや感受性を生かして丁寧な接客やサービスに力を発揮できます。

<HSPのカフェスタッフMさん>チェーン店のように混まず、こじんまりとした店舗なので騒音など環境から受ける刺激が少なく快適に働くことができています。スタッフも少人数なので対人ストレスも感じず、HSPの自分に合った職場です。

8.清掃スタッフ
 一人で作業でき、過剰な対人関係のストレスを受けにくいです。細部に対する注意力の高さや丁寧に作業を行えるHSPの強みは、清掃業務でより発揮しやすいです。黙々と自分のペースで作業を進められる点でもおすすめの職業です。

9.保育士
 HSPの共感力や敏感さは、言葉や伝え方がまだわからない小さな子供とのコミュニケーションにおいて力を発揮します。子供の感情を敏感に察知し、細やかな観察力で安全に業務に取り組むことができます。

10.コンテンツクリエイター(YouTuber / ブロガー)
 昨今、身近になってきたクリエイターの職業もHSPの特性を活かしやすい職業の一つです。HSPの人が持つ共感力や深い思考はコンテンツを生み出す上で大切な力です。また、在宅で作業ができたり自分のペースで進められる自由度の高い点でもHSPの人にとって魅力的です。

まとめ

仕事が長続きしなかったり、仕事でのストレスを感じているHSPの人は、まず自分の職場環境を見直すことが重要です。「そんなこと誰も気にしてないだろう」「私だけが過剰に気にしているだけ」とマイナスに捉えずに、職場で気になる点、ストレスに感じる点を書き出して次の職場選びのヒントにしましょう。今ではリモートワークの導入も増えてきており、自分のペースで働ける環境も多くあります。

HSPの人の持つ感受性や、繊細さ、共感力の高さは適切な環境下ではさらなる力で発揮できます。

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